ホテルのインフルエンサー活用|宿泊PR投稿の進め方
ホテル・旅館がインフルエンサーに宿泊PRを依頼する方法を解説。招待と有償依頼の違い、宿の魅力が伝わる人選の基準、依頼内容と撮影の取り決め、予約につなげる導線、PR表記などの注意点を紹介します。

「インフルエンサーに投稿してもらったけれど、本当に効果があったのかわからない」。インフルエンサーマーケティングに取り組む担当者が抱えやすい悩みです。この記事では、目的別に追うべきKPIの決め方、主要な指標の計算式と計算例、効果を正しく測るための仕組みづくり、結果を次の施策に活かす方法を、インフルエンサーマーケティング支援「INFULL」を運営する株式会社New Deckが解説します。
この記事の要点
インフルエンサーマーケティングの効果は、次のような理由から見えにくくなりがちです。
だからこそ、施策を始める前に「何を、どうやって測るか」を決めておくことが重要です。
KPI(重要業績評価指標)とは、目標の達成に向けて進み具合を測るための指標です。インフルエンサーマーケティングでは、施策の目的によって追うべきKPIが変わります。
| 目的 | 主なKPI | 確認できること |
|---|---|---|
| 認知を広げたい | リーチ数、インプレッション数、動画の再生数 | どれだけ多くの人に届いたか |
| 興味を持ってほしい | エンゲージメント率、保存数、プロフィールへのアクセス、指名検索数 | どれだけ関心を持たれたか |
| 購入・申込につなげたい | クリック数、コンバージョン数、CVR | どれだけ行動につながったか |
| 費用対効果を知りたい | CPA、ROI、ROAS | 費用に見合う成果が出たか |
認知目的の施策でも、最終的に売上につながったかを確認したい場合は、クリック数や指名検索数の変化もあわせて見ておくと、次の判断材料になります。
インフルエンサーマーケティングのKPIは、投稿後の成果だけでなく、キャスティング(起用するインフルエンサーの選定と依頼)の段階でも決めておくと、人選の良し悪しを振り返れるようになります。キャスティングのKPIとは、「どんな人を、何人、どの条件で起用するか」を数字で管理するための指標です。
| 段階 | KPIの例 | 確認できること |
|---|---|---|
| 候補選定 | 候補数、フォロワー属性とターゲットの一致度、候補のエンゲージメント率 | 狙った層に届く人を選べているか |
| 依頼・交渉 | 打診数、承諾数(承諾率)、条件合意までの日数 | 予定どおりの人数・日程で起用できているか |
| 投稿管理 | 予定日どおりの投稿数、PR表記・指定事項の遵守 | 投稿が計画どおり、ルールどおりに行われたか |
| 成果 | インフルエンサー別のエンゲージメント率・クリック数・CPA | どの人選が成果につながったか |
キャスティングのKPIは、成果のKPIとセットで振り返るのがポイントです。たとえば「フォロワー属性の一致度が高い人ほどCPAが低かった」とわかれば、次回の選定基準をより具体的にできます。選定の基準そのものは「インフルエンサーの選び方」で詳しく解説しています。
インフルエンサーマーケティングでよく使う指標の計算式をまとめました。
| 指標 | 意味 | 計算式 |
|---|---|---|
| エンゲージメント率 | 投稿への反応の割合 | エンゲージメント数 ÷ リーチ数(またはフォロワー数)× 100 |
| CTR(クリック率) | 投稿を見た人のうちクリックした割合 | クリック数 ÷ インプレッション数 × 100 |
| CVR(コンバージョン率) | 訪問した人のうち購入・申込した割合 | コンバージョン数 ÷ クリック数(または訪問数)× 100 |
| CPA(顧客獲得単価) | 1件の成果を得るのにかかった費用 | 施策費用 ÷ コンバージョン数 |
| ROAS(広告費用対効果) | 費用に対して得た売上の割合 | 施策による売上 ÷ 施策費用 × 100 |
| ROI(投資対効果) | 費用に対して得た利益の割合 | (施策による利益 − 施策費用)÷ 施策費用 × 100 |
施策費用が50万円、専用URLからの購入が200件、その売上が150万円、売上から原価を引いた利益が90万円だったとします。
ROASは売上、ROIは利益で計算する点が大きな違いです。ROASが100%を超えていても、原価や手数料を引いた利益で見ると赤字、ということもあるため、最終的な判断にはROIを使いましょう。また、施策費用には、インフルエンサーへの報酬だけでなく、商品の提供や制作、管理にかかった費用も含めて計算します。
インフルエンサー施策のROIを正確に出すには、「費用に何を含めるか」「どの期間の成果を数えるか」「どこまでを施策の成果とみなすか」を施策前に決めておくことが大切です。
ROIの高さだけで次の人選を決めるのではなく、フォロワー属性や投稿内容とあわせて振り返ると、次の施策に合う発信者を選びやすくなります。人選の基準は「インフルエンサーの選び方」で解説しています。

効果測定の精度は、施策前の準備で決まります。代表的な仕組みは次のとおりです。
インフルエンサーごとに、UTMパラメータ(アクセスの流入元を識別するためにURLの末尾につける文字列)を付けた専用URLを用意します。Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールで、どのインフルエンサーの投稿から、何人が訪問し、何件購入したかを確認できます。
インフルエンサーごとに異なるクーポンコードを発行すると、SNSのリンクを経由せずに購入した人の成果も把握しやすくなります。
リーチ数や保存数、プロフィールへのアクセス数などは、投稿したアカウントの持ち主にしか見られません。依頼時に、投稿後のインサイトデータを共有してもらうことを取り決めておきましょう。
投稿の後に、自社名や商品名で検索される回数が増えているかを確認します。Googleサーチコンソールなどを使うと、検索数の推移を把握できます。
「この商品を何で知りましたか」という質問を購入時や申込時に設けると、数字だけでは見えない影響を把握する手がかりになります。

同じ商品でも、インフルエンサーや投稿形式(写真、リール、ストーリーズ、長尺動画など)によって成果は変わります。CPAやROIで比較し、効果の高かった組み合わせに予算を寄せていきましょう。
「なぜこの投稿は反応が良かったのか」を、投稿のタイミング、見せ方、訴求したポイントなどから振り返ると、次の依頼内容の精度が上がります。
人選の段階でミスマッチを防ぐ方法は「インフルエンサーの選び方」で解説しています。
株式会社New Deckの「INFULL」では、施策を始める前にKPIと目標ROIを明確に設定し、投資対効果を数値で管理しています。
効果測定まで含めて任せたい場合は、INFULLのサービスページをご覧ください。インフルエンサーの選び方は「インフルエンサーの選び方」で解説しています。
インフルエンサーマーケティングの効果を正しく測るには、目的に合ったKPIを決め、専用URLやクーポンコードなど計測の仕組みを施策前に用意し、決めた期間でデータを集めて振り返ることが大切です。売上ではなく利益で見るROIを軸に、次の施策へ改善を重ねていきましょう。
リンクの後ろに「?utm_source=インフルエンサー名&utm_medium=social」のように付けます。インフルエンサーごとに違う値にしておくと、訪問数を分けて確認できます。
施策の目的から逆算します。認知ならリーチ数や再生数、興味ならエンゲージメント率、購買ならクリック数・CVR・CPA、費用対効果ならROIやROASというように、目的に対して主要な指標を絞って決めます。
インフルエンサーを選び、依頼する段階で管理する指標です。候補のフォロワー属性やエンゲージメント率、打診に対する承諾数、予定どおりの投稿数などが当てはまります。投稿後の成果KPIとあわせて振り返ると、次の人選に活かせます。
主要な指標を1〜2個に絞り、補助的な指標を添える形が扱いやすいです。指標が多すぎると、どこを改善すべきかが見えにくくなります。
(施策による利益 − 施策費用)÷ 施策費用 × 100 で計算します。施策費用には報酬だけでなく商品原価や制作費も含め、利益は専用URLやクーポン経由の売上から原価を引いて求めると、より実態に近い数字になります。
ROASは施策の費用に対してどれだけ売上を得たかを示し、ROIは費用に対してどれだけ利益を得たかを示します。原価や手数料を差し引いた実際のもうけを判断するには、ROIを使います。
認知目的の場合は、リーチ数や再生数を主なKPIにします。そのうえで、指名検索数やサイトへの訪問数の変化もあわせて確認しておくと、売上への影響や次の施策の判断材料になります。
商材の検討期間によって変わります。投稿直後の反応だけで判断せず、施策前に集計期間を決めておき、その期間の数値で評価することが大切です。
リーチ数や保存数などのインサイトデータは、アカウントの持ち主しか見られません。依頼時に、投稿後にデータを共有してもらうことを取り決めておきましょう。
できます。専用URLやクーポンコードは少ない費用で用意できるため、小規模な施策でも成果を数字で把握できます。小さく始めて効果の高い組み合わせを見つけることが、次の施策の成功につながります。