SaaSのテレアポ戦略|IT企業が商談につなげる進め方
SaaS・IT企業がテレアポで商談を増やすための戦略を解説。ターゲットの決め方、トライアルや資料請求リードへの電話、トークの組み立て方、追うべきKPI、インサイドセールスとの役割分担を手順つきで紹介します。

「電話をかけても、すぐに断られてしまう」「担当者によってアポ率に大きな差がある」。そんな悩みの多くは、トークスクリプトを見直すことで改善できます。この記事では、テレアポのスクリプトを作る前の準備から、基本の6ステップと例文、よくある断り文句への切り返し、スクリプトを改善し続ける方法までを、テレマーケティング代行を手がける株式会社New Deckが解説します。
この記事の要点
テレアポのスクリプトとは、電話営業で話す内容と会話の流れをまとめた台本のことです。「トークスクリプト」とも呼ばれ、話し始めの一言から、相手の反応に応じた返し方、アポイントの打診の仕方までを整理しておきます。

スクリプトの出来は、書き始める前の準備で決まります。
業種、企業規模、役職など、電話をかける相手を具体的に決めます。相手によって抱えている課題や、響く言葉が変わるためです。
自社の商品の特徴ではなく、「相手のどんな課題を、どう解決できるのか」を短い言葉でまとめます。この一文が、後で説明する「フック」の核になります。
「決裁に関わる役職の方と、オンラインで30分の商談」のように、どんなアポイントを取るのかを決めておきます。ゴールがあいまいだと、商談につながらないアポイントが増えてしまいます。
テレアポのスクリプトは、次の6つのステップで組み立てるのが基本です。
| ステップ | 目的 | ポイント |
|---|---|---|
| ① 受付突破 | 担当者につないでもらう | 用件を簡潔に伝え、担当部署や役職で取り次ぎを依頼する |
| ② 名乗りと用件 | 誰が何のために電話したかを伝える | 会社名・名前・用件を最初に短く伝える |
| ③ フック | 話を聞く理由をつくる | 相手に関係のある課題やメリットを一言で示す |
| ④ ヒアリング | 相手の状況と課題を知る | 答えやすい質問から始め、相手に話してもらう |
| ⑤ アポ打診 | 商談の約束を取り付ける | 商談の内容と所要時間を伝え、具体的な日時を提案する |
| ⑥ 確認 | 当日の行き違いを防ぐ | 日時、参加者、連絡先、商談の形式を復唱する |

ここでは、BtoB向けのサービスを想定した例文を紹介します。「〇〇」の部分は自社の内容に置き換えてください。
「お世話になっております。株式会社〇〇の山田と申します。〇〇に関するご案内で、営業部のご責任者様にお取り次ぎいただけますでしょうか。」
受付では、長い説明をするよりも、用件と取り次いでほしい部署・役職を簡潔に伝えるほうがスムーズです。
「お忙しいところ恐れ入ります。株式会社〇〇の山田と申します。本日は、〇〇の業務の効率化についてご案内したく、お電話いたしました。1分ほどお時間をいただけますでしょうか。」
「最近、〇〇業界の企業様から『〇〇に時間がかかり、本来の業務に集中できない』というご相談を多くいただいております。御社では、同じようなお悩みはございませんか。」
フックでは、自社の商品説明から入るのではなく、相手が「自分に関係がある」と感じる課題から話し始めるのがポイントです。
「現在、〇〇はどのような方法で行われていますか。」
「その中で、特に手間がかかっていると感じる部分はどこでしょうか。」
「ありがとうございます。お話を伺って、〇〇の部分でお役に立てるかもしれないと感じました。30分ほどオンラインで具体的な事例をご紹介したいのですが、来週の火曜日か木曜日の午後はいかがでしょうか。」
「ご都合のいい日はありますか」と聞くよりも、具体的な候補日を示したほうが、相手は判断しやすくなります。
「それでは、来週木曜日の14時から30分、オンラインでお打ち合わせをお願いいたします。ご参加は〇〇様お一人で、招待のURLはこちらのメールアドレスにお送りしてよろしいでしょうか。」
ここまでの6ステップをつなげた全文です。「〇〇」を自社の内容に置き換えて、声に出して読みながら調整してください。
受付:「お世話になっております。株式会社〇〇の山田と申します。〇〇に関するご案内で、営業部のご責任者様はいらっしゃいますでしょうか。」
名乗り:「お忙しいところ恐れ入ります。株式会社〇〇の山田と申します。本日は〇〇の業務の効率化についてご案内したく、お電話いたしました。1分ほどお時間をいただけますでしょうか。」
フック:「最近、〇〇業界の企業様から『〇〇に時間がかかり、本来の業務に集中できない』というご相談をいただくことが増えております。御社では、同じようなお悩みはございませんか。」
ヒアリング:「現在、〇〇はどのような方法で行われていますか。」「その中で、特に手間がかかっていると感じる部分はどこでしょうか。」
提案:「ありがとうございます。お話を伺って、〇〇の部分でお役に立てるかもしれないと感じました。」
アポ打診:「30分ほどオンラインで、具体的な進め方をご紹介したいのですが、来週の火曜日か木曜日の午後はいかがでしょうか。」
確認:「それでは来週木曜日の14時から30分、オンラインでお願いいたします。招待のURLはこちらのメールアドレスにお送りしてよろしいでしょうか。」
締め:「本日はお時間をいただき、ありがとうございました。当日はどうぞよろしくお願いいたします。」
全文をそのまま読み上げると不自然になりやすいため、フックとアポ打診の2か所だけ言い回しを覚え、ほかは要点を見ながら話すと会話らしく進められます。
テレアポでは、本題のトーク以外に「不在」「資料送付の依頼」「折り返し」などの場面が頻繁に起こるため、短い例文を用意しておくと流れを止めずに対応できます。スクリプトの最後に、次のような場面別の一言を付けておきましょう。
| 場面 | 例文 |
|---|---|
| 担当者が不在 | 「承知いたしました。何時ごろお戻りのご予定でしょうか。あらためてお電話いたします。」 |
| 「資料を送って」と言われた | 「ありがとうございます。お送りする資料を絞りたいので、今〇〇でお困りの点を一つだけ伺ってもよろしいでしょうか。」 |
| 「今忙しい」と言われた | 「失礼いたしました。改めてお電話するなら、午前と午後どちらがご都合よろしいでしょうか。」 |
| 折り返しの電話を受けた | 「お折り返しありがとうございます。株式会社〇〇の山田です。先ほどは〇〇の件でお電話いたしました。」 |
| 留守番電話につながった | 「株式会社〇〇の山田です。〇〇の件でお電話いたしました。また改めてご連絡いたします。」 |
断り文句への返し方は、次の章と「テレアポの切り返しトーク集」でも紹介しています。受付で止められる場合は「テレアポの受付突破のコツ」もあわせて確認してください。
断り文句にあらかじめ返し方を用意しておくと、会話を続けやすくなります。ただし、相手がはっきりと断った場合は、無理に食い下がらないことが大切です。
| 断り文句 | 切り返しの例 |
|---|---|
| 「今、忙しいので」 | 「失礼いたしました。改めてお電話するとしたら、何時ごろがご都合よろしいでしょうか。」 |
| 「資料を送っておいてください」 | 「ありがとうございます。御社に合った資料をお送りしたいので、1点だけ、現在〇〇はどのように行われているか伺えますか。」 |
| 「間に合っています」 | 「すでに取り組まれているのですね。差し支えなければ、今の方法で気になっている点があれば伺えますか。」 |
| 「検討していません」 | 「承知しました。情報収集としてでも、同業の企業様の取り組み事例だけお伝えできればと思うのですが、いかがでしょうか。」 |
個人の消費者に電話で商品を勧誘する場合は、特定商取引法により、契約しない意思を示した相手に勧誘を続けることが禁止されています。BtoBの場合でも、断られた相手には丁寧に電話を終え、企業としての信頼を損なわないようにしましょう。

スクリプトは、実際に架電した結果をもとに改善していくことで精度が上がります。
どのステップで会話が止まっているかを数字で確認し、そのステップのトークを見直します。改善を試すときは、一度に変える部分を1つに絞ると、何が効果につながったのかを判断しやすくなります。
株式会社New Deckのテレマーケティング代行では、業種・商材・ターゲットに合わせてトークスクリプトを設計し、テストしたうえで架電を始めます。運用中もコール数・接続率・アポ率・CVRをリアルタイムで共有し、断られにくい会話の流れになるよう改善を続けます。
スクリプト作りから架電、改善までまとめて任せたい場合は、テレマーケティング代行のページをご覧ください。代行会社を選ぶポイントは「テレアポ代行の選び方」で解説しています。
テレアポのスクリプトは、ターゲットとゴールを決める準備から始まり、受付突破・名乗りと用件・フック・ヒアリング・アポ打診・確認という6つのステップで組み立てます。そして、架電の結果を記録して改善し続けることで、アポ率の高いスクリプトに育っていきます。
読み上げているように聞こえると、相手に警戒されやすくなります。流れと要点はスクリプトに沿いつつ、言い回しは自分の言葉で自然に話せるように練習するのがおすすめです。
会話の流れが一目でわかる分量にまとめるのが基本です。細かい言い回しや断り文句への返し方は、別のシートにまとめておくと、架電中でも探しやすくなります。
変えるべきです。BtoBでは受付突破や決裁者との接点づくりが重要になり、BtoCでは特定商取引法にもとづく名乗りや、断られた場合の対応により注意が必要です。
架電の件数がある程度たまった段階で、数字を見ながら定期的に見直します。一度に変える部分を1つに絞ると、変更の効果を正しく判断できます。
ターゲット・相手のメリット・アポの条件を決めてから、受付突破、名乗り、フック、ヒアリング、アポ打診、確認の6ステップで組み立てます。最後に不在や資料送付など場面別の例文を足し、実際に声に出して長さを調整します。
できます。New Deckのテレマーケティング代行では、業種や商材に合わせたスクリプトの設計から、架電、運用しながらの改善まで一貫して対応しています。